(3)調査結果

香南測線では、基盤岩を覆って、三豊層群が100〜200mの厚さで堆積している(図3−1−7−2)。三豊層群の基底面は凹凸に富み、No.180−210付近に南上がりの変位を受けている。鉛直高度差は、少なくとも50mに達する。

三豊層群には、ほぼ水平な反射面が明瞭な部分と反射面が不明瞭な部分があり、前者は砂・粘土互層、後者は礫層に対応すると推定される。

三豊層群中にもいくつかの断層が推定される。このうち、No.300−340の地下50m前後の南傾の断層は、累積性が認められるが、地表へは達していないように見える。この段層の地表延長部がM面の低断層崖に対応する。

本測線では、花崗岩の基盤の上に100mを超える三豊層群が堆積しているため、基盤を変位させている断層の地表付近の変位がはっきりしない。このため、当測線周辺はトレンチ調査地点としては好ましくないと判断される。

図3−1−6 反射法地震探査香南測線位置図

図3−1−7−1 反射法地震探査による香南測線の音響断面解釈図