(4)鮎滝断層

地質踏査結果を以下に示す。なお、表2−3−4に断層露頭の特徴を一覧表にまとめたものを、図2−2−3に地形地質分類図をそれぞれ示した。

各断層露頭状況は、以下の通りである。

Ay1では、礫層(鮎滝層)が南へ急傾斜し、断層変位を受けている。断層面はENE走向で40〜50°北傾斜している。

Ay2の礫層(鮎滝層)は、北傾斜の断層を伴い南傾斜している。

Ay3には、花崗岩中に幅10mの破砕帯がある。上盤側との境界断層面はN66°E・77°N、下盤側との境界断層面はN60°E・80°Nである。顕著な破砕帯は2mの幅で 形成されている。

Ay4のリニアメントの延長部付近で、花崗岩中の断層破砕帯が観察される。

Ay5には、花崗岩と礫層(焼尾峠礫層相当層)との境界断層(N50°W・80°NE)がある。鮎滝断層とは、走向・傾斜が大きく異なる。

Ay6には、花崗岩と礫層(焼尾峠礫層相当層)との境界断層がある。断層面はN73°E・58°Nの走向・傾斜で、断層面に沿って幅10cm以下の淡緑色粘土が形成されている。この断層面の上方では礫層が水平に堆積し、礫層は断層による変位を受けていないようである。

Ay7では、幅3〜4mの花崗岩中の破砕帯が認められ、数条の白色粘土帯(熱水変質帯)が形成されている。上盤側との境界断層面はN80°E・60°N、下盤側との境界断層面はN65°W・60°Nである。

表2−3−4 鮎滝断層露頭の特徴