6−3 新夏油地点の解釈
出店断層帯に位置する新夏油トレンチにおいて、断層変位に起因する撓みを確認した。撓みは東側低下、約2mであったが、小断層や亀裂などの現象が認められなかったので、最新イベントを分離することはできなかった。トレンチ内でみられる撓みの量は約2mであったが、同じく新夏油地点におけるL段丘の地形測量による鉛直変位量は幅数100 mの撓みを含めて、東側低下6.5〜7.5 mである。したがって、トレンチ内でみられた約1mの撓みは全体をあらわしておらず、トレンチよりさらに広範囲にとれば6〜7mに達すると予想される。この値は胆沢川扇状地や野崎地点におけるL段丘の鉛直変位量4〜5mと比べるとやや大きい。L段丘の年代は夏油川沿いで 1.4〜1.5 万年前という14C年代が得られている。