本測線では平行する数条の西傾斜の断層群が認められる。地表付近における断層を平野側から順にF1〜F4と仮称する。そのうちF2,F3は地層の鉛直落差が小さく不明瞭である。CMP番号900以東では標高−150から−100mにかけてA層基底と解釈される明瞭な反射面がある。A−1層とA−2層は大局的に西へ緩く傾斜している(2°程度)。
F1断層は大瀬川小学校北のL段丘面を変位させる低断層崖に対応すると解釈され,深部まで連続するようにみえる。A−1層基底はこの断層によって200m以上の鉛直変位をうけている。断層面は22°程度で西に傾斜し,F1の上盤側にある東側への撓曲構造は上位ほど顕著であり,下位では断層変位が主体となっている。撓曲帯の幅は200〜400mである。
一方,F2,F3は石鳥谷町境田のL段丘面とH段丘面を変位させる低断層崖およびその延長部に対応するが,ともに変位量は小さく不明瞭で,標高0m以深には連続しない。
また,F4は山地と丘陵との境界に位置し,A層と基盤とを境する逆断層に対応し,深部まで連続するようにみえる。A層基底はこの断層によって200m以上の鉛直変位をうけている。断層面は30°程度で西に傾斜し,上盤側ではA−1層が急傾斜を示す。