5−9 No.34測線

図5−2−5

No.34測線は、花巻市横志田の段丘面上に設定した。No.34測線は後述の横森山トレンチの南側に位置する。扇状地は現河床との比高、開析程度からL段丘面に対比される。断面図から読みとれる地表面の撓曲帯の幅は約800m、垂直変位量は約12mである。

No.34測線の段丘面の北方には並行して2段の段丘面が分布しており、2段とも撓曲状の変形を受けている。横森山とそれに続く段丘面は開析程度からM段丘面に、横森山の北約1kmの250.6m峰とそれに続く段丘面は開析程度からHV段丘面に、それぞれ対比される。断層の下盤側には対応する段丘面が存在せず、No.34測線の段丘面の地下に埋没していると考えられる。L,M,HV段丘面は、分布状況からすべて尻平川によって形成された段丘面であり、形成当時はほぼ同一の勾配であったと考えられる。そこで、M,HV段丘面については下盤側をL段丘面で代用し、上盤側は現存する段丘面を用いて変位量を求めた。断面図から読みとれるM段丘面の撓曲帯の幅は1km、垂直変位量は>35m、HV段丘面の撓曲帯の幅は550m、垂直変位量は>48mである。