3−3−2 文献による記載
花巻断層帯については、金子(1995),Nakata(1976),渡辺(1989),Watanabe(1989),渡辺(1991)など多くの変動地形についての調査がある。これらのうち代表的なNakata(1976)の地形分類図を図3−2に、渡辺(1991)の地形分類図を図3−3に示す。Nakata(1976)は各種の地形面の年代と変位量から平均変位速度を求めている。それは、山頂部の侵食小起伏面(400m/100 万年=0.4m/1,000年)、高位段丘(20m/10万年=0.2m/1,000年)、中位段丘(4m/1.9万年、5m/2.5万年=0.2m/1,000年)であり、花巻断層帯の平均変位速度(鉛直)は0.2〜0.4m/1,000年としている。下川・粟田(1983)も更新世前期の三ツ沢川層(志和層)の変位量から0.5m/1,000年という平均変位速度(鉛直)を示している。