3−1 地形・地質予察
断層の位置および活動度の関する資料を得る目的で地形地質予察を行った。図3−1 に示す。岩手県花巻市、北上市、金ケ崎町、石鳥谷町、紫波町、矢巾町、雫石町の約30km2(約60km×0.5km)地域について空中写真判読、文献調査、地形図判読を行い、地形面および断層変位地形を抽出・分類し、1/25,000地形分類図(付図1−1、付図1−2、付図1−3、付図1−4、付図1−5、付図1−6、付図1−7、付図1−8)を作成した。使用した空中写真は、1963年撮影の縮尺1/20,000空中写真および1995年撮影の縮尺1/10,000空中写真などである。本調査によって段丘面は8段に区分され、高位からHT,HU,HV,M,LT,LU,LVおよびA段丘と呼ぶ (表3−1) 。ただし、HI段丘は胆沢扇状地の一首坂段丘に相当し、他の地域には分布しない。これらのうちLU段丘は最終氷期後半の段丘でNakata(1976)によって19,600y.B.P.,25,600y.B.Pの14C年代が報告されている。また、LT段丘は最終氷期前半の段丘と考えられる。また、既存の資料・文献に基づき、地形分類図上に基盤の地質区分も併せて検討し1/25,000活断層詳細図を作成した (付図2、付図3) 。この予察調査では、断層の位置および活動度に関する資料を得ることを目的とした。