トレンチ調査は雫石町西根の扇状地を横切る「低断層崖」で実施した。西根トレンチでは断層は確認されず、最新イベントなどに関しての議論は出来なかった。同トレンチは山麓部に位置する小規模な扇状地を横切る「低断層崖」と思われた地点で実施された。しかし、トレンチ基部では扇状地礫層が連続して分布し大きな高度差も断層も認められない。扇状地礫層には堀切軽石層(約7,000年前) が挟在しており、完新世前期の堆積物である。トレンチ地点の低崖は扇状地礫層堆積以降に小沢が浸食して形成されたものと解釈される。断層位置はトレンチのさらに前面10m 付近を通ると推定されるが、当該地点は出水が著しく深さ1m以上の掘削困難であり、断層は確認できなかった。