11−1−6 花巻断層帯と北上西断層帯のセグメンテーション

花巻断層帯は変位地形の連続性に基づけば、矢巾町和山付近から花巻市横森山付近まで約37km連続する。また、両断層帯に分布するL段丘の変位量もほぼ同程度である。このことは花巻断層帯と北上西断層帯とが同一のセグメントである可能性を示している。

ちなみに、1896年の陸羽地震に際して千屋断層は最大変位量で東隆起3.5m, 水平短縮3mを記録している(松田ほか,1980)。この二つ値からネットスリップ量を求めると約4.6mとなり、今回の調査で求めた花巻断層帯の単位ネットスリップの下限値とほぼ同等になる。1896年の地表地震断層の長さは22kmである。