3−7 坂尻地区の調査結果
鶴来町坂尻地区では,平成8年度の航空写真判読によって北北東−南南西に撓曲崖〜低断層崖状の地形が確認されていた(図3−7−1).現地で確認を行ったところ,現在でも判読図よりやや南側の位置に急傾斜帯が認められた.これらの急傾斜帯の一部は圃場整備や宅地開発等により不明瞭になっているが,周辺の状況からある程度推定すれば追跡可能である.「新編日本の活断層」で富樫断層が屈曲するとされている箇所は宅地開発により住宅地となっており,大規模な調査を行うことは困難であるが,宅地内を北北東−南南西に縦断する急傾斜帯は南側に隣接する農地まで連続していることから,この地形の延長線上で詳細な調査を行うことにより,富樫断層の活動状況や連続性が確認できる可能性があると考えられる.このことから坂尻地区で詳細調査を実施することとした. 図3−7−1 坂尻地区調査位置図