表3−7−1 坂尻地区の14C年代測定結果
年代測定の結果,以下のような事項が明らかになった.
@手取扇状地礫層に挟まれている可能性があると考えられた腐植土層(e層)からは 1,140±70Y.B.P.という年代値が得られた.
A手取扇状地礫層を覆うと考えられた腐植土層(i層)からは1,480±80Y.B.P.という年代値が得られた.
B「i層」は「e層」より上位にあるが,年代値は逆転した.これを測定誤差とするかどうかは検討を要する.
C今回の結果では,N'OS1を採取した層より上位の礫層は,最近千年程度の期間に形成されたことが明らかになった.既存の資料では,手取扇状地礫層は約2万年前に形成されたと記載されていることから,これらの値とは大きく離れた結果となった.このことから,手取扇状地礫層と凝灰岩が混在した砂礫層(g層およびh層)は,手取扇状地礫層が堆積していたところに凝灰岩を含む礫層が流入し,混在して再堆積したものと判断される.