3−4−2 調査方法の選定
当初の計画では,急傾斜帯の正確な位置を知るためにテストピットを実施し,その後トレンチ調査を実施する予定であった.しかし,複数の地権者より,この地区は地盤状況が悪く,掘削工事により農地としての機能にかなりの損傷が生じる可能性が高いとの懸念が示されたことから,連続的なテストピットや規模の大きなトレンチ調査は困難な状況となった.このため,代替調査として小規模なテストピットを複数掘削することで地層の分布状況を確認することとした.現地作業の過程では,テストピットの崩壊が著しく,当初予定していた深度までの掘削は困難であることが明らかになったことから,簡易貫入試験を実施して地下数mの地盤状況を把握することにより,急傾斜帯の位置や断層による変位量を推定することとした.調査の規模および調査位置はそれぞれ表3−4−1,図3−4−2の通りである.表3−4−1 利屋地区の調査数量
図3−4−2 利屋地区の詳細調査位置図