4−7−2 坂尻地区予備調査

7−1の提言を受けて、鶴来町坂尻地区で予備調査を行った(図4−7−1図4−7−2図4−7−3)。

坂尻地区では、航空写真判読によって北北東−南南西に撓曲崖〜低断層崖状の変位地形が確認されていた。現地で確認を行ったところ、現在でも判読図よりやや南側に急傾斜帯が認められた。これらの急傾斜帯の一部は圃場整備や宅地開発等により不明瞭になっているが、周辺の状況からある程度推定すれば追跡可能である。「新編日本の活断層」で富樫断層が屈曲するとされている箇所は宅地開発により住宅地となっており、大規模な調査を行うことは困難であるが、宅地内を北北東−南南西に縦断する急傾斜帯は南側に隣接する農地まで連続していると推定され、これらの農地で詳細な調査を行うのが最も効果的であると考えられる。

詳細な調査の方法は、以下の手順が考えられる。調査地域の大局的な地質構造を把握する目的で、調査地域周辺の地質調査(精査)を行う必要がある。踏査により断層位置の推定に大きな間違いがないことを確認した上で、変位地形と考えられる急傾斜帯を挟むようにボーリングを行い、基盤ないしそれに類する層の上端や沖積層の深さ、層相の変化を推定し、断層の位置の絞り込みを行う。これによって絞り込まれた位置でトレンチ掘削を行い、断層や地層の状況を確認する。

図4−7−1 継続調査の位置概要(案)

図4−7−2 継続調査の位置(案)

図4−7−3 詳細調査の配置(案)