4−5−5 想定マグニチュード

地形地質調査から得られた森本断層の長さは、高位砂礫層以下の層準に顕著な撓曲が確認された部分に限定すれば13kmである。活断層の長さと発生する地震の規模との関係を、松田(1974)の式から求めると、推定されるマグニチュードはM6.7となる。また、トレンチ調査により確認された単位変位量はおよそ1.0mである。断層の変位量と発生する地震の規模との関係を松田(1974)の式に当てはめると、推定されるマグニチュードはM6.7となる。

富樫断層については四十万地区で顕著な撓曲構造が認められたが、地表踏査範囲が限られており、撓曲の延長方向・範囲については正確な情報が得られていない。しかし、金沢市中心部の既存ボーリング資料から作成した地質断面では、卯辰山層が海側に傾斜している構造が認められることから、森本断層から富樫断層まで撓曲構造が一連であると考えられる。ここで活断層も連続していると仮定すると、森本・富樫断層帯は津幡町加賀爪から金沢市四十万町まで23kmの断層ということになる。この数値から推定されるマグニチュードは上記の地質学的事実に基づく推定値をやや上回るものとなるが、この値については今後さらに検討を行っていく必要がある。