A極浅層部反射法弾性波探査では、丘陵・平野の境界付近や、それより平野側300mの範囲に断層が複数伏在していると推定された。
Bボーリング調査では、地表から数mの厚さのシルト・細砂層とその下位に厚く堆積する円レキ層の地層境界が平滑ではなく、階段状になっている区間があることが推定された。
Cトレンチ調査では、地表付近のシルト・細砂層に断層による変形は認められなかったが、円レキ層直上の有機質シルト層やシルト層・礫層が大きく乱れていることが確認された。地層の乱れは、変形層の形状や上位の地層状況から、地震による強震動が原因である可能性が考えられる。変形を受けている地層に含まれる炭質物の14C年代は約3万年前である。
平成8年度・平成9年度の調査を通じて、森本・富樫断層帯について様々な事実が明らかになった。これらの事項を、詳細に検討を行った地区ごと、調査項目ごとに簡潔にまとめた(表4−1−1)。
表4−1−1−1平成8・9年度 森本・富樫断層帯調査で明らかになった事項のまとめ
表4−1−1−2平成8・9年度 森本・富樫断層帯調査で明らかになった事項のまとめ
表4−1−1−3平成8・9年度 森本・富樫断層帯調査で明らかになった事項のまとめ