トレンチ調査に先立ちテストピットの掘削を行った。ピットは極浅層部反射法弾性波探査(四十万測線)で地下に複数の断層が推定され、ボーリング調査により円レキ層上面に階段状の傾斜が推定された、測点165mから測点230mの間の65mの区間で行い、深さは概ね2mとした。
ピット壁面を観察した結果、地表付近に位置する比較的新しい時代の堆積物が変形しているように見える箇所が複数認められた(図3−4−18)。
測点80mから測点84mの間では、地表面から1m程度の深さに位置する腐植土層が平野側に向かって厚さが増すことや、それよりもさらに下位の腐植土層が測点80mから81mで若干撓んでいるように観察された。
測点110mから測点114mの間では、地表から1m以内にあった腐植土層が、平野側に向かって急激に撓み、2m程度まで深くなっていることが観察された。
測点123mから測点125mの間では、地表から1mおよび2m程度のところに位置する2層の腐植土層が、調和的に同じ箇所で撓んでいるように観察された。
図3−4−18 テストピット壁面スケッチ図(N面)
Aトレンチ位置の選定
テストピットの掘削により新しい時代の堆積物が変形している可能性が推定された区間について、これらより下位の地層の変形の有無を確認するため、測点176mから測点188mの間の12mの区間で深さ5mのトレンチ(T9−1)を、測点206mから測点231mの間の25mの区間で深さ5mのトレンチ(T9−2)を掘削することとした。