トレンチ壁面には、上位から耕作土(S)の下に奈良・平安時代の土器片を含んだシルト層(OS2・OS1)、細砂・微細砂層・シルト層の互層(Sd3・Ss・Sds・Si)、材を大量に含んだ中砂〜細砂層(Sd2・Sd1)が現れた。
これらの地層を1層ごとに詳細に観察した結果、N面・S面・E面とも地層に断層による著しい変形は認められず、ほぼ水平に連続していることが明らかとなった。しかし、土器片を含む砂質シルト層(OS1)より下位に位置するSds以下の層には、液状化によると考えられる砂脈が数多く見られた。液状化した層を特定するため、砂脈をたどって掘削を拡大したところ、トレンチ最下部に見られる材を大量に混入した砂層(Sd2)を起源としていることが明らかとなった。材等の年代測定結果は次項に示す。