表3−2−4 年代測定結果一覧表
上記の測定結果から、調査地域の地表から20m程度までを構成する地層の年代に関して以下のような推定ができる。
@UC−1含有層は、暗灰色を呈し、炭質物を含有するゆるい砂層であるため、沖積層である可能性が考えられた。この層は、卯辰山層と考えられる半固結の層より下位に位置していることから、その場合は規模の大きい逆断層が存在することが推定された。しかし、UC−1の年代測定結果が50,000年前以前の値を示したことから、この砂層は卯辰山層中に挟在している炭質物含有層であると判断された。
AKEY BEDである小礫含有層の直上のUC−3は約7,000年前の値を示し、小礫含有層より下位の腐植質混じりの層(UC−2)が50,000年前以前の値を示すことから、小礫含有層が沖積層基底に相当し、沖積層は約7,000年前より新しい時期の堆積物からなっていると推定される。
B小礫含有層の下位に分布し卯辰山層を不整合で覆う地層は、UC−2の値から50,000年前より古い段丘堆積物に相当することが考えられるが、その中に含まれる炭質物は再堆積したものである可能性もあり、50,000年前より新しい地層であることを完全に否定するものではない。