(1)調査仕様および決定の経緯

平成8年度に行ったT8−2トレンチとの地層の連続等を把握することが必要であるため、補足トレンチはT8−2トレンチの直近で、かつ発掘等により表層付近の地層が乱されていない可能性の高い箇所で行うこととした。

掘削を行ったのは、T8−2トレンチから山麓線に平行に南へ25〜30m離れた、弥生時代の水路遺構延長部に相当する位置である(図3−1−1)。補足トレンチでは、撓曲または断層の有無とその位置、T8−2トレンチで確認できなかった弥生時代以降の地層変形の有無、弥生時代の水路遺構の変形の有無および変位構造との位置関係等の確認に努めた。なお、補足トレンチ付近の標高は8.0m程度である。

T8−2トレンチで確認された撓曲構造の上部を確認する目的であることから、掘削の規模は、長さ15m×幅3m×深さ2m程度とし、重機による掘削を行った。

掘削・整形の結果、壁面に撓曲構造およびそれより上位の地層が乱されずに残されていることが確認されたため、西側壁面の主要部分(8m×2m)のスケッチを行った(図3−1−2)。