3−5−1 最新活動時期

今回の調査で変位の確認された最新の地層は、トレンチ調査によって発見された。変位を受けている最上位の地層の年代は、遺跡発掘資料によると弥生時代後期後半(14C年代測定によるとB.C.50年程度)の層である。しかし、これより上位の層は発掘調査や耕作等によって乱されているため、トレンチ壁面から変位の発生時期を特定することは困難である。遺構の発掘調査結果からは、古墳時代の遺構には変形が認められず、弥生時代後期後半の遺構も断層変位が生じたあとに形成された可能性が高いと考えられる。

これらのことから、「森本断層が活動を行ったのは約2,000年前であると考えられるが、今回の調査結果からだけでは依然500年程度の幅がある。」と結論付けられる。