金沢市疋田−神谷内で行った反射法弾性波探査では、丘陵末端付近から平野側の数百mの範囲の地下に反射面の不連続部分が複数存在することが明らかになった。これらの反射面の不連続は東向き50〜70゜の傾斜を示しており、丘陵側隆起の逆断層が複数存在すると推定される。
梅田地区で行った極浅層部反射法弾性波探査では、山麓線から平野にかけての300m程度の幅の間に沖積層基底面の不連続部分が多数推定された。これらのうち、JR線より西側には断層面の傾斜が40゜程度で東側隆起の逆断層が存在し、標高−60m以浅で樹枝状に分岐して高角の逆断層や正断層を形成しているものと推定される。また、国道159号より丘陵にかけての間には、丘陵側隆起の逆断層や平野側隆起の逆断層など小規模な断層が多数推定されるが、地下深部からの連続性が明瞭ではなく、構造は不明である。
梅田地区で行ったトレンチ調査では、平野側隆起の層すべり逆断層が発見された。この断層は、大きな地質構造からみて変位方向が逆であることから、主断層の変位に伴って発生した副次的な断層であると推定される。発見された断層の垂直変位量は約1mである。