3−1−6 トレンチ調査
・梅田地区のT−2トレンチ上部では地層の撓曲が見られたが、下部では傾斜した卯辰山層の層理面を断層面とした落差約1mの断層が明瞭に確認された。この断層は西側 (海側)が上盤となっており、大局的な地質構造から期待される東側隆起のセンスと一致しないことから、副次的な断層である可能性が大きい。断層による地層の変位は少なくとも弥生時代後期前半(A.D.50〜150)の地層まで及んでいるが、変位はすべて同 時期のもので累積性は観察されなかった。変位が生じたのは、暦年代でB.C.915−825年 からA.D.620−655年の間である事が明らかになった。