(8)土質試験

(1)目 的

調査地域における液状化発生の予測を行うために度試験を、また、沖積層と卯辰山層の物理・強度特性の違いを明らかにするために物理・力学試験を行った。

(2)土質試験の結果

表2−7−3−4に土質試験に用いた試料の採取位置を示す。また、土質試験の結果の詳細は巻末資料9に付した。

表2−7−3−4 試料採取位置

@砂質土の粒度特性

P−1とP−2で実施したが、いずれも細粒土(粘土〜シルト)を多く(27〜48%)含有し、シルト質細砂(SM)に分類される。このうちP−1の方が比較的粗粒である。

試験結果によればいずれも均等な砂質土であるが、全般に細粒土の含有が多いため液状化を生じにくいと考えられる。

A沖積層(粘性土)と卯辰山層(泥岩)の物理的・力学的性質の違い

沖積層・粘性土は砂分をごくわずかに含有し、シルト分を主体とする粘性土であり、粒度組成では卯辰山層の泥岩と大きな違いはないと見られるが、固結度が著しく異なるため、特に強度の変化が大きい(表2−7−3−5)。

表2−7−3−5 土質試験結果

これらの変形特性の違いが、泥岩での断層(せん断)と粘性土における撓曲構造となって現れていることが考えられる。