(6)年代測定

(1)目 的

断層の活動年代や沖積層の堆積速度を推定するために、壁面に現れた木片・腐植土等を36試料収集し、そのうち活動年代を決定する上で重要と考えられる5試料について14C年代測定を行った。

(2)年代測定結果

表2−7−3−1に年代測定用サンプルの諸元および年代測定結果を、試料を採取した位置を図2−7−3−3−1図2−7−3−3−2に示す。また、巻末資料8にデータの詳細を付した。

表2−7−3−1 年代測定結果

レンチ壁面で得られたサンプルの年代測定の結果によれば、変形していることが確認できる最上位の層(C−26)の年代から、発見された変位は少なくともB.C.50年程度以降に形成されたものであると考えられる。

また、C−3とC−23の採取地点の標高差が約3.5mであり、年代差が約2,200年であることから、調査地域の沖積層の堆積速度は1.6mm/年程度であると考えられる。この値は、河北潟付近の沖積層堆積速度の1/2〜1/3の速度であり、河川または湿地性の不規則な堆積物であることが影響していると考えられる。