(2)トレンチ位置の選定

極浅層部反射法弾性波探査で沖積層基底面に段差が推定され、ボーリング調査によっても同様の結果が得られたB−4・B−5間では、遺跡発掘調査によっても遺構中の溝に段差が確認されていることから、この地点を中心にトレンチを掘削することとした。具体的には以下の理由による。

・地形・地質調査・反射法弾性波探査結果

丘陵前面平野部に断層が伏在している可能性がある。

・極浅層部反射法弾性波探査結果

今回の調査測線沿いに沖積層基底面に起伏が存在し、基盤の洪積層にも反射面の不連続部が数ヶ所認められる。

・ボ−リング調査結果

B−5地点からB−3・2など国道159号付近までの地下には、沖積層基底面にあたる卯辰山層が尾根状の高まりを示しているが、B−5から丘陵側のB−4に向かって急激に深くなっている。

・埋蔵文化財発掘調査結果

B−5〜B−4に直交する方向に弥生時代後期後半の水路遺構が存在し、この水路遺構の東側と西側で遺構面のレベル差が認められる。