図2−5−1−4−1、図2−5−1−4−2、図2−5−1−4−3に発振点8,26,61,81,118,146のオリジナルデータ波形例を示す。発震点204(1220m地点)〜終点の間は、国道159号線を横切る固定展開となったため、最初の30chには地震計は設置されていない。車両による低周波のノイズ、表面波、電気的なノイズ等の影響により、反射波はあまり明瞭には認められない。受振点120〜180はJR北陸本線の高架下にあたり、データのS/N比が特に悪い。
図2−5−1−4−1 オリジナルデータ波形例(発震点:8,26)
図2−5−1−4−2 オリジナルデータ波形例(発震点:61,81)
図2−5−1−4−3 オリジナルデータ波形例(発震点:118,146)
図2−5−1−4−3 オリジナルデータ波形例(発震点:118,146)
(2)フィルター処理
図2−5−1−5−1、図2−5−1−5−2、図2−5−1−5−3には同じく発震点 8,26,61,81,118,146の静補正およびバンドパスフィルター処理まで行った結果の記録例を示す。静補正の最終データムは、標高20mとした。バンドパスフィルターの通過周波数帯域は30〜100Hzとした。このバンドパスフィルターによって、表面波および、通過車両によるノイズは大きく軽減された。この結果、反射波は、
100〜400,600,900,1200msec等で明瞭に認められるようになったが、JR高架下〜終点側のショット記録では、多重反射波や音波などの影響により不明瞭である。
図2−5−1−6−1〜図2−5−1−6−9)にはデコンボリューションおよびAGC処理まで行った結果の記録例を示す。データのS/N比があまり良くないため、デコンボリューションには、predictiveデコンボリューションを用いた。デコンボリューションのオペレータ長を60msecとし、predictive長を10msec、20msec、30msecと変えて、それぞれの結果によるショット記録を比較した。ノイズは0.1%とした。この結果、predictive長は20msecが最適であると判断された。またAGCのオペレータ長は300msecとした。このデコンボリューション後、もう一度バンドパスフィルター処理を行った(通過周波数帯域:30〜60Hz)。
図2−5−1−5−1 バンドパスフィルター処理後(発震点:8,26)
(通過周波数帯域:30〜100Hz)
図2−5−1−5−2 バンドパスフィルター処理後(発震点:61,81)
(通過周波数帯域:30〜100Hz)
図2−5−1−5−3 バンドパスフィルター処理後(発震点:118,146)
(通過周波数帯域:30〜100Hz)
図2−5−1−6−1 デコンボリューション処理後(発震点:8,26)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:10msec)
図2−5−1−6−2 デコンボリューション処理後(発震点:61,81)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:10msec)
図2−5−1−6−3 デコンボリューション処理後(発震点:118,146)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:10msec)
図2−5−1−6−4 デコンボリューション処理後(発震点:8,26)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:20msec)
図2−5−1−6−5 デコンボリューション処理後(発震点:61,81)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:20msec)
図2−5−1−6−6 デコンボリューション処理後(発震点:118,146)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:20msec)
図2−5−1−6−7 デコンボリューション処理後(発震点:8,26)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:30msec)
図2−5−1−6−8 デコンボリューション処理後(発震点:61,81)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:30msec)
図2−5−1−6−9 デコンボリューション処理後(発震点:118,146)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:30msec)
図2−5−1−5−2 バンドパスフィルター処理後(発震点:61,81)
(通過周波数帯域:30〜100Hz)
図2−5−1−5−3 バンドパスフィルター処理後(発震点:118,146)
(通過周波数帯域:30〜100Hz)
図2−5−1−6−1 デコンボリューション処理後(発震点:8,26)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:10msec)
図2−5−1−6−2 デコンボリューション処理後(発震点:61,81)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:10msec)
図2−5−1−6−3 デコンボリューション処理後(発震点:118,146)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:10msec)
図2−5−1−6−4 デコンボリューション処理後(発震点:8,26)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:20msec)
図2−5−1−6−5 デコンボリューション処理後(発震点:61,81)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:20msec)
図2−5−1−6−6 デコンボリューション処理後(発震点:118,146)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:20msec)
図2−5−1−6−7 デコンボリューション処理後(発震点:8,26)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:30msec)
図2−5−1−6−8 デコンボリューション処理後(発震点:61,81)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:30msec)
図2−5−1−6−9 デコンボリューション処理後(発震点:118,146)
(オペレータ長:60msec,predictive lag:30msec)
(3)速度解析・CDPスタック
各種フィルター処理を施した結果にCDPソーティングを行った後、速度解析を行った。
図2−5−1−7にはその速度テーブルを用いてCDP重合を行った結果(時間断面)を示す。ここに示した時間断面は、CDP重合後、F−Xデコンボリューション処理を行ったものである。
受振点0〜120では0〜1200msecまで連続性のよい反射波が見られ、特に400,600,900,1200msecで顕著である。受振点120〜180では反射波が不明瞭になるが、この区間では受振点と発震点に最大5m程度の標高差があるため、若干その影響が出ていると考えられる。受振点180以降は500msec以上で明瞭な反射波は見られず、終点側にかけて反射波列が傾斜している。
図2−5−1−8にマイグレーション処理結果を示す。マイグレーション時に用いる速度テーブルは、実際の地盤の速度に近い値を用いることが望ましいが、時間断面にスタック速度より推定した区間速度を用いてマイグレーションを行うと、測線の両端でマイグレーションによるひずみが大きく現れた。そこで本測線では、マイグレーションに用いる速度をコンスタントとして、いくつかの速度値を用いてマイグレーション速度のテストを行った。マイグレーションによるディフラクションパターンの解消とひずみの現れかたの兼ね合いを観察した結果、本測線においてはマイグレーションに用いる速度には1400msecが最適と判断した。
(4)深度変換
図2−5−1−9に時間断面(マイグレーション前)に対し深度変換処理を行った深度断面を、図2−5−1−10に深度変換に用いた速度テーブルを示す。深度変換に用いる区間速度を決定するのに十分な深度のボーリングやVSPのデータはなかったため、深度変換に用いる区間速度は、スタック速度より推定した。深度変換結果(深度断面)を見ると、受振点 0〜120にかけては最深1500mまで連続性の良い有意な反射波が認められる。受振点120以降では深度500m以深で有意な反射波は認められない。測線終端では深度50〜400mにかけて傾斜した反射波列がみられる。
図2−5−1−11には、マイグレーション後の時間断面に対し、深度変換処理を行った結果を示す。
図2−5−1−7 時間断面図(マイグレーション前)
図2−5−1−8 時間断面図(マイグレーション後)
図2−5−1−9 深度断面図(マイグレーション前)
図2−5−1−10 速度分布図
図2−5−1−11 深度断面図(マイグレーション後)
図2−5−1−8 時間断面図(マイグレーション後)
図2−5−1−9 深度断面図(マイグレーション前)
図2−5−1−10 速度分布図
図2−5−1−11 深度断面図(マイグレーション後)