森本断層・富樫断層およびその周辺地域について、地形面区分、地質層序の確立、地下地質構造を把握するために地形地質調査を行った。調査にあたっては、想定される活断層について、その存在、延長、周辺の表層地質、破砕帯の分布などの確認を第一の目的とした。また、物理探査、ボーリング調査およびトレンチ調査の候補地の選定、年代測定のための資料収集なども行った。

２）調査範囲

航空写真判読による地形判読（６８ｋｍ２）および地質概査（２３ｋｍ２）の範囲は、基本的には断層に沿った地域である。また、人工改変以前の地形を再現する目的で、１９５２年撮影の米軍写真（１／１５，０００）を用いて航測図化を行い、１ｋｍ２の範囲について１／２，５００スケール・１ｍコンターの地形図を作成した。良好な露頭が期待できない金沢市街地では、断層が通る可能性のある地域で簡易地形測量（５ｋｍ２）を行い、地形変化を検出した。調査範囲は図２−１−１−１に示した。