(5)想定マグニチュード

地形地質調査から得られた森本断層の長さは、高位砂礫層以下の層準に顕著な撓曲が確認された部分に限定すれば13kmである。また、トレンチ調査により確認された単位変位量はおよそ1.0mである。

 内陸性の地震断層において、長さ(L)や単位変位量(D)と地震マグニチュード(M)の関係は、松田(1974)により以下のような計算式で求められる。

  logL=0.6M−2.9(Lの単位はkm)

  logD=0.6M−4.0(Dの単位はm)

これらの式にL=13km,D=1.0mをそれぞれ代入すると、推定されるマグニチュードはいずれもM=6.7となる。ただし、これらの値は今回の調査により森本断層が確認された範囲での値で、野町断層・富樫断層との連続性が明らかになればLの値が、より大きな変位をもつ部分が明らかになればDの値が、それぞれさらに大きな値になり、その結果Mも大きくなる可能性がある。