新編「日本の活断層」に示されている森本・富樫断層の位置は、概要は把握されているものの、正確な位置は明らかにされていない。
図1−1−1−1に新編「日本の活断層」による森本・富樫断層の位置を示した。北部・南部では断層線は北北東−南南西方向の一条に収斂していると考えられるが、金沢市街付近では複数の撓曲崖・低断層崖に区分でき(野町断層)、森本断層と富樫断層の連続性は確認されていない。
森本断層の北側延長は、津幡市街付近で不明瞭になっており、北側への連続性が不明である。また、富樫断層の南側延長は手取川の堆積物に覆われ、地形からは連続性が確認できなくなっている。
(2)活動履歴
森本断層・富樫断層は、活動履歴については把握されておらず、最新活動時期や活動周期が明らかにされていない。
新編「日本の活断層」では、森本断層の北半部は確実度U、富樫断層の南端部は確実度Vとされているが、活動履歴等については不明である。両断層とも、金沢市街周辺と北端部・南端部では活動履歴が異なる可能性がある。
(3)断層の構造
断層の構造(傾斜方向、破砕幅等)や変位方向等は不明であり、露頭・トレンチ等で直接確認する必要がある。