6−2−5 古々山断層

図6−10に示すとおり,谷の右方向への屈曲が認められる谷上地点(神戸市北区山田町上谷上:兵庫県立光風病院敷地内)においてボーリングおよびトレンチ調査を実施した。

しかし,本調査地点は扇状地性の砂礫層が厚く分布するため,断層の位置を特定することができず,最新活動時期など断層の基本的性質を把握することはできなかった。また,FF− 1孔で確認された基盤岩は,有馬層群に属する流紋岩からなることが明らかとなった。藤田・笠間(1983)は,本断層を有馬層群(北側)と神戸層群(南側)の地質境界断層としているが,本調査地点では神戸層群はさらに南側に分布すると予想される。したがって,本調査地点における古々山断層は,地質境界断層とはなっていないと推測される。

図6−10 古々山断層の調査位置図