IT−6孔において,深度30〜37.6mに見られる堆積物は,基盤岩である花崗岩を不整合に覆っており,肉眼観察より大阪層群に属する可能性があると推定される。しかし,花粉分析より中期更新世以降の海退期に堆積した堆積物であることが示唆されたが,その明確な層準の特定にはいたらなかった。
その下位の深度37.6〜57m付近には風化した花崗岩が分布し,下位の花崗岩質砂礫層を覆っている。深度57m付近に見られる風化花崗岩と花崗岩質砂礫層との境界は,断層関係で接していると考えられる。
また,IT−3孔の深度5.6mに花崗岩質砂礫層と花崗岩が断層関係で接していることが確認されていることと,IT−6孔における地質構成を考慮すると,本調査地点における須磨断層は2本以上の複数の断層で構成されている可能性が高いと言える。