(1)ボーリングコア観察

図4−4にボーリング柱状断面図を,巻末にボーリングコアのスケッチおよびコア写真をまとめて示す。ボーリング調査より,各孔とも谷底堆積物である砂層の基底は標高23〜28m(深度約10〜13m)付近にあり,下位の花崗岩質砂礫層を覆っている。また,谷底堆積物中には,腐植質層もはさまれる。

IT−3孔の深度5.6m付近では,花崗岩質砂礫層と花崗岩が断層で接しており,その境界は約50°傾斜する断層粘土を挟み,腐植層をほぼ同傾斜で取り込んでいるコアが確認された。須磨断層は北西傾斜の逆断層とされているので,断層は地表付近では,IT−3孔とIT−2孔との間を通ることが確実となった。

また,IT−6孔は深度80mまで掘削を行ったが,深度37.6〜57m付近に風化した花崗岩が分布し,その上位の深度30〜37.6m付近を,大阪層群と思われる砂や砂礫層が覆うことが確認された。深度57m付近には風化花崗岩と下位の花崗岩質砂礫層との境界があり,これは断層関係で接していると考えられる。