また,図2−4に示されるように,海岸線に沿った国道2号において国土地理院が兵庫県南部地震後に行った水準点の改測結果では,須磨断層の南西延長部付近の水準点に30cm近くにおよぶ西上がりの標高差が認められている(橋本,1995)。須磨断層が通ると予測される地点において,地表面に地震断層が確認されなかったため,この標高差を地震断層とは特定できないが,測地学的に検出された地震断層として注目されている。しかしながら,須磨断層の最新活動時期や活動履歴などは依然として明確でないことより,断層の基本的性状を把握するため,図2−3−1に示す一ノ谷A地点において,ボーリング調査およびトレンチ調査を計画実施した。
図2−4 水準測量による姫路〜大阪間の上下変動(橋本,1995)