ボーリング調査結果より,OG ? 1およびOG ? 2孔の堆積層は砂および砂礫層からなり,それらより北に位置するOG ? 3〜OG ? 7孔では,砂礫層の上位に粘土をはさむようになり,最も北に位置するOG ? 5孔の上半部は,粘土〜シルト質となっている。基盤岩については,OG ? 1,OG ? 2,OG ? 3,OG ? 4孔は有馬層群に属する凝灰質流紋岩からなり,それより北のOG ? 6,OG ? 5孔は古第三紀の神戸層群に属する砂岩や泥岩からなる。有馬層群と神戸層群の境界部にあたるOG − 4孔とOG − 6孔の間では,これらの基盤岩を覆う河成段丘礫層基底面の高度に北側上がり約2mの落差が認められ,OG − 4孔の有馬層群は破砕を受けて脆弱化している。また,45°の傾斜で掘削したOG − 7孔においては,深度11.3mで神戸層群とその下位に分布する有馬層群の境界が確認され,その境界部に約1cm厚さの断層粘土と推測される赤紫色脈が見られた。
また,OG ? 1孔より10数m南に位置する地点で,試掘ピット調査を実施した。図4−3に,その法面スケッチおよび写真を示す。これより,その下部に亜円礫〜円礫からなる河成段丘礫層が分布していることがわかった。また,詳細は後述するが,本地点で採取した試料による火山灰分析の結果,同礫層は姶良Tnテフラ(AT:約26,000〜29,000年前)に覆われていることが確認された。