2−2−1 淡河断層

本断層は,帝釈山地の北縁に沿って東西に延び,南側の帝釈山地を構成する有馬層群と北側の三田盆地に広く分布する神戸層群との地質境界断層として位置付けられる。藤田(1983)では,神戸市北区淡河町の野瀬大杣池の北方や八多町の大蔵山北麓など数カ所において,断層露頭が報告されている。

平成13年度に実施された地質踏査により,断層推定線上に有馬層群と神戸層群が接する断層露頭が八多町の金比羅山北麓で確認されたのをはじめ,淡河町木津付近では断層近傍で北側に分布する神戸層群が急傾斜している断層露頭が確認された(図2−2)。しかし,これらの断層推定線近傍に分布する低位段丘面などの新期堆積物に明瞭な変位は認められず,断層の最新活動時期や活動履歴などは不明確である。

したがって,本断層の最新活動時期や活動履歴などの断層の基本的性質を明らかにすることを目的に,ボーリング調査およびトレンチ調査を実施した。