この低崖は,六甲断層のより新期の活動を示すものである可能性も考えられることから,低崖を挟んで,2孔のボーリングを実施した(図4−5,図4−6)。
ボーリング調査結果によると,低崖北側のFe−1孔と南側のFe−2孔との間で,基盤岩上限面に鉛直約11m以上,また,基盤岩直上の礫層基底面に鉛直約9.5m,いずれも北側低下の高度差が認められる(図4−6)。これらの高度差は断層による累積的な変位量と考えられ,両孔間に断層が存在する可能性が高いことが明らかとなった。
ただし,地表面直下には層厚数10cm〜1mの黒色土壌が分布するものの,その下位では,礫層等の粗粒な堆積物からなり,年代試料にも乏しいことから,本地点で,精度の高い活動履歴など明らかにすることは難しいと考えられる。
なお,本地点では,地形からボーリング地点の南側の道路付近にも断層が推定される。