(2)ボーリングコアの断層

深度17.34m〜26.25mの花崗岩は,深度26.37mにおいて下位の砂礫層Bと,傾斜が約40°程度の断層(断層α)で接している。この断層αは,砂礫層Bに花崗岩が衝上した逆断層であり,断層面沿いに幅2cm程度の細粒ガウジを伴う。また,断層面の上盤側の花崗岩は著しく破砕されて細片化しており,下盤側に分布する砂層の上盤側への引きずりが認められる。砂礫層Aと砂礫層Bとは,上記のように,同一の堆積物と判断され,断層αの鉛直変位量は砂礫層基底で約45mとなる。

また,その下位の63.45m〜75.91mの花崗岩は,深度75.91m付近で下位の大阪層群と,傾斜が約20°程度の断層(断層β)で接している。断層面は明瞭な剪断面はなく,密着して固結している。下盤のシルト中には鏡肌状の剪断面が認められるが,上盤の花崗岩中にはほとんど破砕は認められない。断層βは大阪層群に花崗岩が衝上した逆断層と考えられるものの,断層βの上盤側に大阪層群の同一層準の繰り返しが確認できない。このことから,同断層は砂礫層Bにより不整合に覆われ,隆起側の大阪層群は砂礫層B堆積前に削剥されたものと考えられる。