表4-4 暮坂峠断層トレンチ調査壁面に表れた地層(表土・耕土を除く)
壁面には被覆層を大きく変位させる断層は認められなかったものの,基盤(超丹波帯山崎層の頁岩)中には幅2m近くに達する粘土化した破砕帯が出現した(図4-11,写真4-16,西側壁面では距離22~24m付近)。破砕帯の走向は,N50°Wと暮坂峠断層の方向とほぼ一致する。
その中で, 当破砕帯の北端にあたる壁面距離23.5m付近では, 直上にのるB2層(平安時代の土器包含層)を見かけ上下方向に約20cm食い違わせている断層変位が認められた(図4-12のF-1断層,図4-13のF-1´に連続)。さらに詳しく見ると,破砕帯の南側(距離15~19m付近をはじめほぼトレンチ全体に)基盤からB2層,あるいはB1層にまで延びる落差10cm前後の小規模な断層が確認できる(図4-11及び写真4-18,写真4-20)。断層の走向は,NW-SEないしE-W方向にそろう。
また,トレンチ南側では基盤の凹部が認められ,堆積層中には小規模な擾乱が多数見られる。