山田町原野では,有馬層群中をN81°W,88°N方向に延びる断層が確認される。この断層は幅5〜10cmの断層粘土を挟む断層破砕帯(幅約40cm)を伴い,断層面上には断層の横ずれ運動を示唆するほぼ水平の条線(グルーブ)が認められる(巻末資料:1−9の写真K2‐1〜2(図8−9−2))。
一方,山田町坂本では,断層は北側の有馬層群と南側の神戸層群とを境し,断層面の走向・傾斜はN79°E,70°Sで,幅50〜60cmの断層破砕帯を伴う(巻末資料:1−8の写真K1‐1(図8−8−2))。
なお,柏尾谷断層の東部では,断層が通ると予想される位置(鰻ノ手池上流)を横断して幅広い谷底低地が分布しており,この場所では沖積層が堆積している可能性がある。