5−6−4 射場山断層および山田−湯槽谷断層【巻末資料:1−5】

有野町唐櫃では,射場山断層の推定線上にN41°E,65°N方向に延びる幅約5mの破砕帯が花崗岩中に認められ(写真I‐1〜2(図8−5−2)),その他でも随所で風化・変質を伴う破砕帯が確認された。また,上記露頭の西方でも,幅約50cmの強破砕部を伴う断層(N54°E,90°)が認められ(写真I‐3〜4(図8−5−3)),その西側延長部では,段丘面上に北側低下約1mの直線状の低崖が認められる(写真I‐5(図8−5−4))。

一方,射場山断層の南側をほぼ並走する位置に推定される山田−湯槽谷断層の推定線上では,長尾谷右岸でN54°E,60°S方向に延びる幅2〜3cm程度の断層粘土を有する破砕帯が確認された(写真I‐6(図8−5−4))。断層面上には15°〜20°E方向に傾斜する条線(グルーブ:線状のミゾ)が認められ,横ずれ変位が卓越している可能性がある。