5−6−1 六甲断層【巻末資料:1−1,1−2】

六甲断層は,変位地形が明瞭であり,その線上の随所で断層及び破砕帯が確認された。断層は,花崗岩中あるいは花崗岩と北側の有馬層群との境界に認められる。断層面の走向はおおむね東西,傾斜は高角度で南側に傾斜しており,断層面沿いに,幅数十cm程度の断層粘土を挟在している。

西宮市山口町船坂では,リニアメントに対応する位置で,六甲断層が段丘礫層に変位を与えていることが確認された。断層面の走向・傾斜は,N70°E,50°Sであり,見掛け上,南側の花崗岩が北側の段丘礫層にのりあげる逆断層であり,礫層基底面の鉛直変位量は引きずりを含めて南上がり約5m以上である。この段丘礫層は地形面との関係から,高位段丘堆積層と推定される(巻末資料:1−2の写真R2‐1〜3(図8−2−2))。

なお,この露頭は,東方の中位段丘面を切る低断層崖(南側隆起,10m〜15m程度)の延長上に位置している。