4−3−3 塩尾寺リニアメント・小林リニアメント
塩尾寺リニアメントと小林リニアメント(LB,LCランク)は,南北方向を示す。塩尾寺リニアメントでは,宝塚市宝松苑付近で,高位段丘(H3面)及び中位段丘(M2面)に東側低下の低崖が認められ,古い段丘ほど変位量が大きく,変位が累積している可能性がある。ただし,低位段丘がリニアメントの延長上に分布しないため,新しい時期の変位の有無は不明である。小林リニアメントでは,中位段丘面(M1面,M2面)の外縁が直線的な急崖で境され,この急崖は低位段丘面,沖積面と接する。また,これらの中位段丘面は扇状地面の平面形態を示し,リニアメントに向かって比較的急な東急傾斜を示すが,リニアメント近傍で平坦となることから西方への傾動を伴う変位を受けている可能性がある。