４−３−１ 六甲リニアメント・桜が丘リニアメント
本リニアメント（ＬＢ，ＬＣ，一部ＬＤランク）は，東北東−西南西方向を示し，北側低下の高度不連続，尾根・水系の右屈曲が認められる。西宮市船坂付近では，高位段丘（Ｈ３面）および低位段丘（Ｌ２面，Ｌ３面）に北側低下の低崖が認められる。船坂以東では，リニアメントは２本に分岐する。南側のリニアメント（六甲リニアメント）は武庫川左岸の御殿山付近に連続し，尾根・水系に比較的系統的な右屈曲が認められ，屈曲量は２０〜１００ｍである。また，中位段丘（Ｍ２面），低位段丘（Ｌ２面）に北側低下の逆向き低崖が認められ，その延長上に分布するＬ３面，Ｌ４面，Ａ１面にも人工的な耕作が行われているものの，北側が低い高度差が認められることから，これらの低位段丘も変位している可能性がある。一方，北側のリニアメント（桜が丘リニアメント）は一部直線状の谷を通り，その東方部で尾根・水系に右屈曲が認められ，屈曲量は２０〜４０ｍ程度である。また，西宮市生瀬付近では，低位段丘（Ｌ２面）に北側低下の低崖が認められる。なお，船坂西方の白水峡墓園以西，有馬温泉付近にかけての区間には，明瞭なリニアメントは判読されない。