4−1 地形面区分

段丘面については,空中写真判読及び地表踏査結果に基づき段丘面の形態,面の保存状態,現河床からの比高及び堆積層の層相等により,「近畿の活断層(岡田・東郷編,2000)」などの既存文献を参考にして,その対比および形成年代について検討を加えた。

段丘面は空中写真判読図(図4−2及び巻末資料:1)に示すように,高位よりH1面,H2面,H3面,M1面,M2面,L1面,L2面,L3面,L4面,A1面及びA2面に区分される。これらの各段丘面と南関東の段丘面とは,段丘面の形態,保存状態などに基づき表4−1にまとめるように対比した。すなわち,H面群は尾根状を呈する場合が多く多摩面群(高位段丘面)に,M1面,M2面は,原面の保存が比較的良いことから,下末吉面〜小原台面(中位段丘面)に,L1面は原面の保存が良く三崎面に,L2面,L3面,L4面は原面が良く保存されており,西宮市船坂のL2面では,礫層を覆う細粒堆積物上部にAT(姶良Tn火山灰)が認められることから立川面群に,A1

表4−1 地形面区分とその対比

図4−1 使用空中写真(縮尺1:10,000)の位置<標定>図

面,A2面はほとんど開析されていない原面からなることから沖積段丘面にそれぞれ対比されるものと推定した。また,山地崖下には,土石流状堆積面あるいは崖錐が分布し,これらを開析の程度および現河床からの比高などから,高位,中位,低位の3面に区分した。