これらの断層は,有馬−高槻断層帯から西方(六甲山地北側)に延びる断層系と,同断層帯から南西方(六甲山地南東縁断層帯)に延びる断層系に大別され,これら2系統の断層の多くは,横ずれ変位が卓越するとされている。
前者の活断層としては,六甲断層をはじめとして名塩断層,射場山断層,山田−湯槽谷断層,古々山断層,柏尾谷断層,有野−淡河断層などがある。これらの断層は,有馬−高槻断層帯の西方延長に位置するおおむね東西性の断層であり,確実度Tと推定され第四紀後半も活動的と評価されている断層は,六甲断層のほか,柏尾谷断層と名塩断層の一部区間のみであり,それ以外の断層は,第四紀後半以降それほど活動的ではない(可能性が高い)と評価されている。
一方,有馬−高槻断層帯から南西方向に分岐し,六甲山地南東縁断層帯に延びる活断層としては,清荒神断層,大月断層,五助橋断層,芦屋断層などがある。これらの活断層は,おおむね北東−南西方向に延びる断層であり,清荒神断層,五助橋断層南西部(神戸市域)は,確実度Tであるが,その他は第四紀後半以降それほど活動的ではない(可能性が高い)と評価されている。
当地域の活断層としては,この他,六甲山地北東縁を限る南北性の塩尾寺断層,小林断層などが知られている。これら南北性の断層は, 断層の長さが2km程度と短く, 上下成分が卓越することなど,上記の活断層とは若干性格が異なっている。
調査地域周辺においては,花屋敷南断層,五助橋断層などが慶長伏見地震時に活動したことが明らかにされているものの,調査地域内に分布するいずれの断層についても最新活動時期等の活動履歴が判明していない。