4−1−6 暮坂峠断層延長部

暮坂峠断層延長部は,地形的には市川沿いの低地を経て,その大部分は,基盤岩の山地地域となっている。このうち,市川沿いの低地には,高位・中位・低位の3段の段丘地形が発達しており,これらの段丘が発達するのが,暮坂峠断層延長部より上流側に限られている点が注目される。

一方,基盤山地内には,北西−南東方向・東−西方向・北東−南西方向に多くのリニアメントが認められる。今回の調査では,これらリニアメントにそって基盤中に断層や破砕帯はみられるものの新期堆積層をきる断層露頭が確認されていないこと,明瞭な変位地形も読み取れなかったことから,どれが活断層であるか特定することはできなかった。主なリニアメントのうち注目されるのは,姫路市豊富町神谷から加古川市志方町広尾にかけて北西−南東方向に約12kmにわたって延びるもの,姫路市豊富町御蔭から加古川市志方町氷室にかけ北西−南東方向に約8kmにわたって延びるもの,姫路市飾東町志吹から加古川市志方町成井にかけ北西−南東方向に約5kmにわたって延びるものがある。