(3)周辺の地震活動に関する情報

これまでのトレンチ調査(図2−1参照)により,山崎断層系(大原断層−土万断層−安富断層)は,868年の播磨地震(M=7以上)を引き起こした可能性が高いことが判明している。しかし,この地震により,琵琶甲断層をはじめとする山崎断層帯東部の活断層系が活動したかどうか現在のところわかっていない。

一方,現在の地震活動についても,山崎断層系(大原断層−土万断層−安富断層,暮坂峠断層)にそった微小地震活動が活発であり(藤田・岸本,1972;笠間・岸本,1974),1984年には,山崎断層系暮坂峠断層の直下でマグニチュード5.6の中規模地震(姫路で震度4)が発生している。しかし,断層帯東部地域にあたる加西〜三木・小野〜加古川・明石にかけては,微小地震活動は線上に集中せず分散する傾向がある。

図3−1−24 山崎断層にそう微小地震の集中(笠間・岸本,1974)