1−6 調査結果の概要

今回の調査により,山崎断層帯主部の東端に位置する安富断層が琵琶甲断層へと連続する証拠は認められず,両者が直接連続する可能性は低いと判断される。一方,琵琶甲断層(a),琵琶甲断層(b),三木断層は,変位地形が明瞭であり,高位段丘層を切る断層露頭が見出されたため活断層であることが確実となった。また,既存ボーリング資料により作成した断層伏在部(推定)の地下断面から,琵琶甲断層(a),琵琶甲断層(b),三木断層は連続する可能性が高いこともわかってきた。三木断層は三木市街地をとおりさらに南東方向に延長する可能性もあり,琵琶甲断層−三木断層の総延長は25kmに達するとみられる。

さらに今回の調査で,三木市別所町から稲美町草谷を経て,加古川市東部付近におよぶ長さ12 km余りに達する活断層(以下報告書では〔(仮称)草谷断層〕と呼称する)が見出された。一方,暮坂峠断層の延長部では,活断層の可能性があるリニアメントはいくつかみられるものの,現時点では第四紀後期に活動した証拠は得られていない。

山崎断層帯東部地域の活断層の活動度については,琵琶甲断層(a),琵琶甲断層(b),三木断層,(仮称)草谷断層とも,高位段丘の変位量から求められる断層ごとの平均変位速度は0.20〜0.75m/1000年程度と見積られ,活動度B級に相当する活断層と評価される。