活動履歴については,安志地区のトレンチ調査で,安富断層が 24000年前以降にも繰り返し活動してきたことが判明し,最新の活動時期が従来の見解どおり播磨地震 ( 868年)の可能性が高いこと,活動間隔はやや不明確ではあるものの,千数百年〜二千数百年程度とみられることなどが明らかになった。したがって,今後も山崎断層が活動する可能性はあると判断される。
土万断層に関しては,今回の調査で歴史時代に大地震を引き起こしたとみられる断層は確認できなかったが,地震に起因するとみられる地層の変状(液状化跡や小断層など)は随所で認められた。しかも,これらの乱れは,様々な層準に認められること,最上位のものは沖積層にまで及んでいることなどから,間接的にではあるが,土万断層が第四紀後期に繰り返し活動してきたことは裏付けられた。しかし,安志地区のように断層本体の活動が直接確認されたわけではないので,活動時期に関しての曖昧さは残された。
また,大原断層と安富断層が播磨地震の際に活動した可能性が高いこと,その間に位置する土万断層も3000年前以降に活動した可能性が考えられることから,大原断層−土万断層−安富断層は連動する可能性が高いとみなされる。
一方,今後に残された課題とその対策は,次のように考えられる。