4−1 地形・地質調査

山崎断層は,古生代から中生代にかけて形成された堆積岩類や火成岩類の分布する基盤山地内をとおっていることから,かつては明瞭な変位地形が随所にみられた。ただし現在では,断層のほぼ直上に中国縦貫自動車道が建設されており,その大部分は見えなくなっている。そのため,今回の調査では,自動車道建設以前の空中写真を用いて地形判読調査を実施した。

一方,山崎断層にそって基盤岩は大きく破砕をうけており,基盤中の断層破砕帯もいたるところでみられる。安志峠の砕石場の大露頭に見られる大破砕帯はその代表的なものであるが,現在活動的な断層はその一部分といわれており,特に断層変位地形がみられる場所を念頭において地表踏査を実施した。また,活断層の活動性をみる上で重要な指標となる段丘の分布についても地形・地質両面から調査追跡した。以下に地形・地質調査の結果をとりまとめるとともに,調査結果に基づいて山崎断層系の活動的な区間を検討した。